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【研究者情報】 東原 伸明

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年12月6日更新

東原 伸明  HIGASHIHARA Nobuaki

職位 教授
役職  
所属 文化学部 文化学科、大学院 人間生活学研究科(2004年-)
教員紹介  東原伸明

大変に「便利」で「不便」な私

 私が大学の頃の授業に、「コンピューターリテラシー」というような科目は無かった。そもそもパソコンが普及する以前であったから、現在のような携帯メールも、ネット通販も存在しない。当然、レポートも論文も手書きで、下書きをした後、苦労して原稿用紙に清書をした。卒業論文も手書きである。学部四年で就職する学生たちにとっては、「人生初めて」で、恐らく「二度とはしない厳粛な体験」であっただろう。同輩の友人が、「産みの苦しみだ」と嘆いたことばをよく記憶している。私自身は、進学したので修士論文の執筆で再度この経験をし、ワープロで論文を執筆するようになるまで、同じ苦しみを幾度となく味わった。だが当時の私は、そうした手書き的な常識を「不便」だとは感じなかった。下書きが、そのまま清書になるワープロは、たしかに「便利」なツールだが、その「便利」さは、ワープロを知った現在から過去を振り返った時の感覚に過ぎない。ワープロ執筆により手書きの数倍、原稿の執筆量は増え、比例して外注の依頼も増えた。締切日に間に合うように郵送しなくても、メール添付で送信、締切の当日に間に合ってしまう。昔ならば地方大学に在職する私などには来ないような東京からの原稿依頼も、編集者が請求に困らないからだろう、頻繁に来るようになった。むろん、締め切りを破らないという信義が最低条件である。昨年のこと、「同じ締切日で、分量50枚『源氏物語』の論文原稿を同時に二本執筆してほしい」という無茶な依頼を受けた。ともかく締め切りを守り、期末の忙しい時期に、更にその校正に苦しめられる結果となった。「便利」さとの引き換えに、これほどの代償を被らなければならないとは……。慢性的な肩凝りと腰痛に悩まされている私は、大変に「便利」で、同時に「不便」な世の中に生かされているらしい。

研究者略歴

学位 博士(文学)(名古屋大学、2009年)
学歴・職歴

【学歴】
 1982年 國學院大學 文学部 文学科 卒業
 1987年 同大学院 文学研究科 博士課程後期 単位取得満期退学

【職歴】
 1997年 県立高知女子大学 文学部 助教授
 2007年 同文化学部 教授を経て現職

専門分野 『古事記』『土左日記』『源氏物語』などの古代散文文学
所属学会

中古文学会
日本文学協会
学術団体物語研究会

研究SEEDS

研究テーマ

  『古事記』『土左日記』『源氏物語』等の、古代散文文学の研究

研究概要

 現在は、『土左日記』や『竹取物語』等の初期散文文学の言説(言語表現)から古典として完成された『源氏物語』の言説が、どのように出現したのか、その連続性を追究する研究を行っている。

相談可能な領域

 『古事記』『土左日記』『源氏物語』等、古典文学の講座、講義、解説

キーワード

 古代散文文学、語り、言説、テクスト、脱構築、近代合理主義批判、パロディ、虚構、他界観、引用、文学史、
 方法、鏡像

関連SDGs (関連性の高い順)

 SDGs4

研究業績

主要研究論文等

・東原 伸明:「「野分」巻の言説分析―「同化」と「離化」・〈語る〉主体の位置と距離の測定ー」、
 『國語と國文學』、8月号(東京大学国語国文学会)、pp. 3-16 (2021・8)

・東原 伸明:「梅花の宴歌群と序文および関連歌群のテクスト分析-もしくは散文としての『萬葉集』と
 その間テクスト性-」、『万葉集の散文学―新元号「令和」の間テクスト性』、pp. 185-218、
 武蔵野書院 (2021・6)

・東原 伸明:「『大和物語』第149段の〈語り〉と言説分析-散文叙述への意思と「歌徳譚」の決別あるいは
 『伊勢物語』第23段の脱構築-」、『大和物語の達成―「歌物語」の脱構築と散文叙述の再評価』、
 pp. 7-31、武蔵野書院 (2020・5)

・東原 伸明:「プレテクスト『大和物語』の想像力と創造力―『源氏物語』「若紫」巻の注釈・引用・話型―」、
 『大和物語の達成―「歌物語」の脱構築と散文叙述の再評価』、pp. 255-272、武蔵野書院 (2020・5)

・東原 伸明:「「産む性」の拒否・『竹取物語』かぐや姫の思想―異人に照らし出される「この世」の論理―」、
 『次世代に伝えたい新しい古典―「令和」の言語文化の享受と継承に向けて』、pp. 35-43、
 武蔵野書院 (2020・3)

・東原 伸明:「〈歌〉の『伊勢物語』と〈語り〉の『大和物語』―「語り」と言説分析・『大和物語』の散文的
 機能の再評価を焦点に―」、『次世代に伝えたい新しい古典―「令和」の言語文化の享受と継承に向けて』、
 pp. 55-63、武蔵野書院 (2020・3)

・東原 伸明:「「光源氏」とは何か―「プレイボーイ」とは異なる古代物語の主人公像」、『次世代に伝えたい
 新しい古典―「令和」の言語文化の享受と継承に向けて』、pp. 87-95、武蔵野書院 (2020・3)

・東原 伸明:「「和歌」から「散文叙述」へ=「地の文」に融合する和歌-『土左日記』から『蜻蛉日記』・
 『源氏物語』への補助線-」、『高知県立大学文化論叢』、6、pp. 70-78 (2018・3)

主な著書

・東原 伸明、ローレン・ウォーラー、ヨース・ジョエル、高西 成介 共編著:『万葉集の散文学―新元号
 「令和」の間テクスト性』、武蔵野書院、東京(2021)

・東原 伸明、山下 太郎 共編著:『大和物語の達成―「歌物語」の脱構築と散文叙述の再評価』、
 武蔵野書院、東京(2020)

・井上 次夫、高木 史人、東原 伸明、山下 太郎 共編著:『次世代に伝えたい新しい古典-「令和」の言語文化の
 享受と継承に向けて』、武蔵野書院、東京(2020)

・東原 伸明、ヨース・ジョエル 共編著:『土左日記のコペルニクス的転回』、武蔵野書院、東京(2016)

・東原 伸明 著:『土左日記虚構論―初期散文文学の生成と国風文化』、 武蔵野書院、東京(2015)

・東原 伸明 著:『古代散文引用文学史』、勉誠出版、東京(2009)

・東原 伸明 著:『源氏物語の語り・言説・テクスト』、おうふう、東京(2004)

・東原 伸明 著:『物語文学史の論理―語り・言説・引用―』、新典社、東京(2000)

主な社会貢献

・県民を対象とした源氏物語講読の会を主催し、ウィークディに永国寺の校舎で行っている(例年6月7月と2月3月)

・「県民開放授業」として、「演習」以外の文化学部の専門科目を県民に受講開放している


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