文化

2006年3月11日更新

よさこい節とよさこいの踊り

ペギー葉山が昭和30年代に歌ったらしい。
「土佐の高知のはりまや橋で 坊さんかんざし かいよった よさこい よさこい よいよい」
というのがよさこい節。他人の恋の噂話が県の歌のように歌われているあたりがいかにも南国。

しかし、よさこいの踊りってこれにあわせるのじゃないようです。
よさこい、って「正調」という基本的なものとその応用があります。正調は都はるみが若かりし頃歌ったもののようです。しかし、ペギー葉山のとはちょっと違う。
応用したものとは、よさこい節のフレーズが少しでも入ったものです。よさこい祭り本番(8月のお盆の15日頃)や、帯屋町で日曜日に踊ってる人たちがいますが、そこではこの応用したものを使ってます。

その踊りですが、恐らく昔からのものなのだから、盆踊りと似たものだろうと思っていたら、ちがうんです。正調についてですが、てっきり盆踊りのように3歩歩いて2歩下がると思って、ビデオを持ってさあとるぞ、と座ろうとしたら、「前進あるのみ」!それから追いかけること追いかけること、終わってみると、最初の地点ははるか遠くにありました。

東京だと盆踊り大会が始まると、私の実家の近所ではどこからきたのか80過ぎ位のおばあさま達が紅をさし、優雅な手つきで踊りだします。しかし、よさこいは、80過ぎたら無理なんじゃないかな。とくに、ピョンと飛ぶとこなんて、できないよ。高知って盆踊りないの?盆踊りって田植え関係の踊りだけど、高知って豊作祈ってこんな激しく昔から踊ってたんでしょうか?

正調でさえ激しいので、もうそれの変形といったら、すごい躍動感です。若い人がはまるのもうなずけます。

7月に入ると特に若い人たちが帯屋町で夜練習してます。「そんなことしてないで勉強しろー」といいたいとこ半面、あまりに熱心なので、熱中できることもないとね、がんばってね、とつい応援したくもなります。お祭りというのは、地元の人の地道な努力の積み重ねなのだなあ、とつくづく思うのでした。練習風景をよく見ると、若い人だけでなく、老若男女混じっています。よく見ないとわからないのは、激しい踊りなので、とまってしっかり顔のしわとか見ることなんてできないからです。

 時折若い女性に叱り飛ばされているおじさんやおにいちゃんをみかけます。いわれたようにすぐには直せない場合が多いようですが、それでもひたむきにがんばろうとしている姿を見かけると、つい自分と重なり、がんばれがんばれ、と応援したくなります。

2003年の夏に、実家の近くではじめてよさこいが紹介され、ステージで踊ってました。でも、あまいあまい、という感じでした。私同様、てっきり盆踊り風だと思い込んでいる人が多いのでしょう、踊っている人たちが全員60代前後の女性でしたので、本人達はがんばっているのはわかるのですが、どうしても躍動感に乏しいのです。おまけに、前進の後下がったりしてる。「やっぱり私と同じ間違いするよね」と妙に納得したのでした。