高知県立大学同窓会

しらさぎ会

高知県立大学

2つの学生寮の今

2つの学生寮の今
                   森下安子(学生部長・学長特別補佐)
  
 今年も369名の学部入学生と27名の大学院入学生、計396名をお迎えすることができました。今年の学部1年の入学生は女性302名、男性64名で、県内学生149名(40.7%)、県外217名(59.3%)、うち中国からの私費留学生1名(健康栄養学部)でした。文化学部は平成27年に夜間主の設置などの拡充を図り、この4月で1回生から4回生まで定員150人が揃い、6月1日現在、文化学部638名、看護学部333名、社会福祉学部294名、健康栄養学部168名、看護学研究科60名、人間生活学研究科25名、計1,518名の学生が在籍しています。
 さて今回の「母校からの窓」は、大学の「さくら寮」「あふち寮」の2つの“学生寮の今”について紹介いたします。平成29年3月に池キャンパス敷地内に完成した「さくら寮」は、日本人学生と外国人留学生等が、共同生活を通じて互いの文化や習慣・宗教の違いなどを理解・尊重し、相互の交流を深めながらも学業に専念できる安心かつ快適な環境の国際寮です。しらさぎ会様からもベンチを寄贈していただきました。この場をお借りしまして、感謝申しあげます。
 寮の命名に当たっては、教職員等から広く募集し、「世界中の人がわかる」「日本を代表する」「“あふち寮”は、寮の庭で淡い藤色の花をさかす“せんだん”の木の名から命名された」ことから決定となりました。「さくら寮」周辺にも桜の木が植えられており、木はまだまだ小さいですが、3月下旬頃になるとの花が咲き、学生を迎えてくれます。
 寮の定員は54名で、現在1回生 16名、2回生13名、3回生3名、4回生4名、大学院生8名、うち学部6名、大学院生5名の私費留学生が入寮しています。寮は、4人のシェアルームタイプ(一人ひとりの個室がありますが、台所、浴室、トイレ等が共有スペースになっています。)が11部屋と、ワンルームタイプ(大学院生等用)10部屋あります。また、寮内には「コミュニティールーム」があり、学生が交流できるスパースがあります。例えば、昨年5月には、中国、インドネシア、ネパール、イタリアからの留学生と日本人学生、教職員らおよそ30名が集まり、餃子やジャージャー麺、から揚げ、トマトと卵のスープなど一緒に作りながら親睦を深めるなど、日本の行事、季節にあわせた行事を行なっています。
 また、さくら寮には、本学に短期留学で来高した学生さんの入寮し、交流を深めています。昨年度は、インドネシアアンダラス大学、ガジャマダ大学、韓国国立木浦大学校、国立慶南科学技術大学校からの短期留学生24名が入寮しました。この「さくら寮」を通して、本学の学生さん達が、さらにグローバルの視点を持って活躍できる人材へと成長していくことを教職員一同期待しています。
 昭和45年に建てられ、今も東石立町にある「あふち寮」(76名定員、現在67名入寮)には、多くの思い出があるしらさぎ会会員の皆様もいらっしゃるかと思います。耐震診断結果から耐震補強が不要との結果が出ましたが、ご想像の通りかなり老朽化しております。寮の設備や部屋の構造も昭和45年からあまり変わりなく、部屋は約9畳の広さで全て4人の共同部屋です。最大7人入れるお風呂には使用可能なシャワーが3つしかなく、火元安全の観点から入浴時間にも制限があり、共同の洗面所は今も水しか出ません。寮費は、平日(休業期間を除く)朝、夕2食付きで約3,3000円程度と安く、経済的に就学が困難で学ぶ意欲のある学生さん達の受け皿として、また社会経験・協調性やコミュニケーション・金銭感覚等が自然と身につくといった効果があるとはいえ、今の学生さん達の生活スタイルとは少しかけ離れている感があります。寮の役員さん達とは年2回、学生部長、学生支援担当の事務職員等が定期的な意見交換会をもち、改善できる部分について知恵を出したり、永国寺の寮担当の事務職員の方々が随時相談にのり、時にはペンキを塗るなど改善に向けて取り組んでいますが、限界をも感じています。「あふち寮」の建て替えは大学でも大きな課題と認識しており、平成30年度の活動計画の中にも「あふち寮の建て替えに向けた具体的な検討を継続して行なう」ことを明記しております。
 しらさぎ会の皆様方には、今後とも寮のことも含め、充実した学生生活へのご支援を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申しあげます。