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平成25年度 高知医療センター・高知県立大学合同災害訓練を行いました
平成25年度 高知医療センター・高知県立大学合同災害訓練
平成25年8月31日(土曜日)に、高知県立大学は、隣接する基幹災害拠点病院である高知医療センターとの合同災害訓練を、大学教職員と学生約300名、病院職員約300名が参加し、実施しました。
この訓練の目的は、高知医療センターが災害時に基幹災害拠点病院としての機能を果たせるように、来院した軽症者と避難者、帰宅困難者を高知県立大学池キャンパスが受け入れ、災害時の課題を抽出・分析し、今後作成する災害対応マニュアルや連携ルール等の基礎データとすること、および地域の大学としての避難所機能と運営手順の確認をすることです。
高知県立大学池キャンパスは、高知市から災害時の避難所として指定されており、その機能を維持していくことは大切ですが、そればかりではなく、高知医療センターの役割の一つである軽症者対応を、高知医療センターに代わって高知県立大学で行うという画期的な試みです。この様な役割分担は、一昨年の東日本大震災で、その必要性が指摘されました。
地域の被災者は、免震構造でインフラが整った、夜になると明かり灯る大きな医療施設に集中しがちです。しかし、多くの被災者が医療施設に押し寄せると、本来しなければならない災害医療活動ができなくなってしまいます。そこで、隣接する高知県立大学で、軽症者の診療を行い、受け入れようというものです。幸いにも高知県立大学池キャンパスには、軽症者への対応に伴う医療行為に協力でき、避難者の健康や生活を支援できる看護学部、軽症者および避難者を受入れた後の避難所運営等において、社会資源を活用しながら地域住民と連携して支援ができる社会福祉学部、そして避難所生活での食を支えることのできる健康栄養学部という、専門職養成学部が揃っており、発災直後ばかりではなく、長期にわたる避難所運営をサポートすることができます。
学生、教職員が傷病者役となり、高知医療センターでトリアージを受け、それぞれのエリアで診療を受けました。本年度は、訓練時間中に、軽症者等120名全員の収容あるいは診療ができ、昨年の課題であった軽症者をレベル分けして対応するという目標が達成できました。また、健康栄養学部が水を確保するための勉強会を開催したり、手洗いタンクを用いた節水を実施し、最後に災害非常食の試食も行いました。避難所では、社会福祉学部が中心となり、地域住民の方々も参加して、本学の学生サークルである「イケあい」のメンバーと共に避難所の立ち上げや段ボールベッドの作成などを行いました。
この様な高知医療センターとの連携および救護所、避難所運営等の大規模訓練は2回目ですが、まだまだ課題が山積みです。訓練にて抽出した課題を一つひとつ丁寧に解決しながら、また次回の訓練に向け、災害の準備性を高めて行きたいと考えています。尚、この連携は、「高知医療センター・高知県立大学包括的連携事業」によるものです。
高知県公立大学法人災害対策プロジェクト
当日の様子
高知医療センターDMAT隊員による傷病者の仕込みを受ける学生・教職員
災害対策本部の立ち上げ:各要因はそれぞれの役割につき、
トランシーバで被災状況を報告
高知医療センターからの被災者・軽症者の誘導
軽症者受け入れトリアージ(高知県立大学地下入り口)
救護所での再トリアージ
軽症者診療は高知医療センターから派遣された医療チームと県立大学教員が
協働で行った
三里地区住民の皆さんとイケあい(学生サークル)による避難所図上訓練
三里地区住民の皆さんとイケあい(学生サークル)による段ボールベッドの
作成
手洗いタンクの準備
手洗いタンクによる初めての手洗い
非常食(アルファ米)の試食
地域住民による避難所となる大学の汚水処理施設の見学