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平成27年度 高知医療センター・高知県立大学合同災害訓練を行いました
平成27年度 高知医療センター・高知県立大学合同災害訓練
平成27年10月3日土曜日に、高知県立大学は、隣接する基幹災害拠点病院である高知医療センターと、合同災害訓練を実施し、高知県立大学からは学生と教職員約500名が参加しました。
この訓練の目的は、高知医療センターが基幹災害拠点病院としての機能を果たせるように、来院した軽症者と避難者、帰宅困難者を高知県立大学池キャンパスが受け入れ、一方では高知県立大学池キャンパスに避難所を開設し、両機能を如何に早急に立ち上げ、災害時の課題を抽出・分析し、災害対応マニュアルや連携ルール等を見直し、実際の災害時に対応することです。この訓練は、平成24年に始まり、今年で4回目となります。毎回訓練後にそれぞれのエリアで反省会を行い、挙った課題の対策を、次回の訓練に盛り込む形で繰り返し行って来ました。
本年度の訓練の最大の特徴は、本合同災害訓練に、これまで分離して行って来た、学生と教職員の一次避難訓練を組み込んだことです。本来なら、地震発生後には、最寄りの一次避難場所に避難し、津波の襲来状況を見ながら、次の行動へと移って行きます。しかし、時間的制約のある訓練となると、なかなか連続してこの2つの訓練を行うことができませんでした。今年度は、合同災害訓練が4回目であることから、基本的な対応はできる様になったと判断し、かなりのチャレンジでしたが合同訓練の前に、一次避難訓練を組み込みました。また、夏休み明けの時期でもあり、学生が約400名参加したことにより、避難訓練を行う人的環境も整いました。
合同災害訓練としては、実際に被災した状況を考慮して、受傷者・避難者誘導チーム、軽症者受け入れチーム、避難住民支援チーム、食料等対応チーム、そして災害対策本部を立ち上げ、訓練を行いました。今年度は、学生企画として、本学の立志社中の学生ボランティアセンター運営チームが、ボランティアセンターを立ち上げ、健援隊が軽傷者受入れチームと、そしていけいけサロンが避難住民支援チームと協働して訓練を行いました。
軽傷者受け入れチームでは、4回目の訓練であることから、当日の役割分担はリーダーのみ決定しておき、発災後の限られた時間を用いて、軽傷者エリアのチームビルディングを如何に行うかというチャレンジをしました。また、これまで停電の前提でありながら、安全確保のため照明を点灯していましたが、今回は発電機を用いて照明を確保するという初めての訓練を行いました。
避難住民支援チームでは、避難所となる体育館での避難者受け入ればかりではなく、避難者に対するヒアリングを実施し、避難所運営を確実にする情報収集を行いました。また、避難所運営上の課題を議論するため、地域住民の皆さんと立志社中のいけいけサロンの学生も加わり、検討会を実施しました。また、避難所では、本年度から本学にてスタートした地域学実習Iの成果発表会を企画し、地元の三里・十津・種崎における未災地ツアーを行った2チームが、避難所となった体育館にて成果発表を行いました。
食料等対応チームでは、一昨年から開始した手洗いタンクを用いた節水を行いましたが、今年は更に節水を意識して、噴霧器による手洗いも加え、参加者は節水に関する体験をしました。また、マジックライス(白米)に塩昆布、ゆかり、梅干し、シャケフレーク、佃煮などを準備したり、災害用に備えているコンロカートを使用して豚汁を作りました。更に、はちのこの佃煮やいなごの佃煮等の昆虫食の展示もしました。
今回は、起震車による揺れの体験や、水害の被害が大きかった常総市で活躍した災害支援医療緊急車両も展示され、昨年より更に多くの訓練が盛り込まれました。
また、学生、教職員が傷病者役となり、高知医療センターでトリアージを受け、それぞれのエリアで診療を受けました。本訓練は、この傷病者役割の方々がそれぞれの受傷程度で演技をすることにより、成り立っています。援助する側される側、それぞれの役割を発揮した訓練となりました。
高知県立大学災害対策プロジェクト
当日の様子
医療センターDMAT隊員による傷病者の仕込み
緊急地震速報が流れ、身をまもる事務職員
停電の中での災害対策本部の立ち上げ
災害対策本部にてトランシーバーの準備
発電機により災害対策本部用電源を確保
学生・教職員の一次避難場所での避難人数の確認
安否確認システムによる学生と教職員の安否確認
避難者、軽傷者の誘導
診療所での受付
医療センターの医師による診察、健援隊も支援
本学の医師と看護師による処置
避難所での外国人の受付
地域学実習Iの報告会 その1
地域学実習Iの報告会 その2
噴霧器による手洗い
豚汁の炊きだし準備
非常食の試食