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平成28年度 高知医療センター・高知県立大学合同災害訓練を行いました
平成28年度 高知医療センター・高知県立大学合同災害訓練
平成28年11月12日土曜日に、高知県立大学は、隣接する基幹災害拠点病院である高知医療センターと、合同災害訓練を実施し、高知県立大学からは学生と教職員約400名が参加しました。
この訓練の目的は、高知医療センターが基幹災害拠点病院としての機能を果たせるように、来院した軽症者と避難者、帰宅困難者を高知県立大学池キャンパスが受け入れ、あわせて高知県立大学池キャンパスに避難所を開設し、受け入れと避難所の両機能を如何に早急に立ち上げ、災害時の課題を抽出・分析し、災害対応マニュアルや連携ルール等を見直し、実際の災害時に対応することです。この訓練は、平成24年に始まり、今年で5回目となります。毎回訓練後にそれぞれのエリアで反省会を行い、挙った課題の対策を、次回の訓練に盛り込む形で繰り返し行って来ました。
本年度の訓練の特徴は、昨年度から開始された、本合同災害訓練に、これまで分離して行って来た、学生と教職員の一次避難訓練を組み込んだことです。また、昨年度課題となった、本学のもう一つのキャンパスである永国寺キャンパスとの連携です。後者に関しては、キャンパス間通信が可能なMCA無線機を導入し、予行演習を行うなどの準備をして来ました。更に、昨年度法人統合したことにより、今年度安否確認システムを新しいものに変更しましたが、変更後の最初の大規模な訓練となり、具体的に安否情報をやりとりする訓練となりました。この様な幾つかの新規の内容を含め、5回目を迎えたことにより、マニュアルには記載していない、想定外の事柄も組み込み、より現実的な訓練を企画・実施しました。
合同災害訓練としては、実際に被災した状況を考慮して、受傷者・避難者誘導チーム、軽症者受け入れチーム、避難住民支援チーム、食料等対応チームを編成し、そして災害対策本部を立ち上げ、訓練を行いました。今年度の学生の支援活動としては、本学の「立志社中」の「健援隊」が軽傷者受け入れチームを、同「イケあい学生ボランティアセンター」が避難所運営をそれぞれ支援し、同「いけいけサロン活動」が避難住民支援チームの企画として大学が位置する町内会の皆さんと災害に関する懇談会を運営し、訓練を行いました。
軽傷者受け入れチームでは、5回目の訓練であることから、当日の役割分担を全く決めず、発災後の限られた時間内に、軽傷者エリアのチームビルディングを如何に行うかというチャレンジをしました。また、昨年から開始した停電の前提でありながら、安全確保のための照明確保にポータブル発電機を用いて行い、臨機応変に照明の配置を変えるなど、対応をしていました。
避難住民支援チームでは、避難所となる体育館での避難者受け入れだけではなく、今回から初めて避難者の方々に、事前に認知症などの心理社会的に困難な状況を設定し、避難所でのトリアージを実施し、それらに対応できる訓練をしました。また、避難所運営上の課題、あるいは池地域の災害に関する課題の整理と対応に関して、地域住民の皆さんと「立志社中」の「いけいけサロン活動」の学生も加わり、懇談会を実施しました。
食料等対応チームでは、今年は、マジックライスをおにぎりにして提供し、医療センターとの食料相互貸借により、県立大から医療センターへは安心米、医療センターから県立大には卵スープと乳幼児用粉ミルクがそれぞれ提供され、訓練に用いました。これまで、手洗いに関し、種々の取組みをして来ましたが、今回はコインティッシュによる対応を試みました。
また、学生、教職員が傷病者役となり、高知医療センターでトリアージを受け、それぞれのエリアで診療を受けました。本訓練は、この傷病者役割の方々がそれぞれの受傷程度で演技をすることにより、成り立っています。援助する側・される側、それぞれの役割を発揮した訓練となりました。
高知県立大学災害対策プロジェクト
当日の様子
医療センターDMAT隊員による傷病者の仕込み
外傷キットを用いた傷病者の仕込み
緊急地震速報が流れ、身をまもる事務職員
停電の中での災害対策本部の立ち上げ
非常電源と災害用非常灯を点灯して災害対策本部を運営
学生・教職員の一次避難場所での避難人数確認と災害対策本部の対応記録
安否確認システムによる学生と教職員の安否確認
避難者、軽傷者の誘導
診療エリアでの軽傷者の受付
本学の医師による診察と学生の診察支援
医療センターの医師による処置
医療センターの薬剤師による薬局開設
避難所受付
避難所での聞き取り調査
非常食(卵スープ)を受け取る
卵スープ用のお湯の確保
非常食のおにぎりの準備
池町内会の皆さんと学生との懇談会