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本学は、アイパブリッシング株式会社との共同研究により、地域で人工呼吸や医療処置などが必要な人(医療的ケア児・者)がスマートフォンに自分の心身情報を入力しておくことで、災害時に迅速な治療や看護、搬送に役立てることができるアプリケーションソフト(K-DiPS Solo)を開発しています。
この度、K-DiPS Soloと連携して、医療的ケア児・者と担当の訪問看護や医療的ケア児支援センター等が、クラウドを介して情報共有し、緊急時のSOS発信、事業所側からの安否や状況確認が可能なK-DiPS BCPを開発しました。K-DiPS BCPは、利用者情報を用いてBusiness Continuity Plan(BCP)シート、優先対応者リスト等の自動作成機能を実装しています。2023年6月下旬より先行利用を開始し、7月上旬にリリース予定です(https://k-dips.jp/bcp)。
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高知県立大学とアイパブリッシング株式会社は共同研究により「当事者参画型災害備えシステム(K-DiPS Solo, K-DiPS Online, K-DiPS BCP)」( http://k-dips.jp )を開発しています。
同システムは高知県立大学看護学部の中井寿雄准教授の研究成果に、アイパブリッシング株式会社の医療系システム・地域の課題解決ソリューション開発の経験を組み合わせたものです。
本アプリは、高知県の医療的ケア児家族会(高知県医ケア児家族会)、石川県や長野県の当事者グループ、高知県訪問看護連絡協議会(高知県訪問看護)、熊本大学病院医療的ケア児支援センター(熊本大学医ケア児支援センター)、長野市社会事業協会、児童発達支援センターにじいろキッズライフ(にじいろキッズライフ)等の協力を得て、実証実験とヒアリングを重ねて開発しています。
具体的には、2021年度より高知県訪問看護の協力を得てBCPシートの開発、2022年6月より高知県医ケア児家族会、ネッツトヨタ南国株式会社、損保ジャパン高知支店の協力を得てSOS機能を追加、2022年11月の近畿地区DMAT訓練と2023年1月の九州沖縄DMAT訓練で実証実験を行い完成させたものです。
2023年6月中旬より、高知中央訪問看護、あおぞら診療所高知潮江、NPO法人みらい予想図、熊本大学医ケア児支援センター、にじいろキッズライフによる先行利用を開始し、7月初旬に正式リリースいたします。今後は、モデル地区を募集し、医療的ケア児・者だけでなく、要支援・要介護や一般高齢者等にも対象を拡大して、地区全体の自助・共助体制、危機管理能力の向上に向けて開発を加速させます。
本研究は、日本学術振興会科学研究費助成事業における競争的研究資金の支援を受けて開発しています。研究種目とタイトルは、基盤研究(C)「情報通信技術を用いた発達障害児災害危機管理システムの開発」(研究代表者:中井寿雄)、基盤研究(B)「医療的ケア児の参画とテクノロジーの融合による当事者参画型災害備えシステムの開発」(研究代表者:中井寿雄)及び、挑戦的研究(萌芽)「医療的ケア児の医療物資をiPadで画像認識しIoTで管理する災害備 蓄アプリの開発」(研究代表者:中井寿雄)。さらに、READYFOR株式会社のクラウドファンディングサービスにおける次のプロジェクトの支援金を活用しています。「災害による停電の危機から医療的ケア児の命を守る“K-DiPS”」(プロジェクト代表者中井寿雄)
1.SOS機能*
2.安否確認機能*
3.BCPシート自動作成機能*
* これらのスクリーンショットは、開発中のアプリの一部であり、情報は架空です。