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現代の成熟した社会では、誰もが健康で文化的な生活を希求し、享受することが保障されています。社会的公正の観点からは、個人が善き生を実現することは社会の責任とされます。それと同時に、社会のゆたかさ(単なる物質的豊かさではなく、多様性に富み認め合うもの)が個人の生命(いのち)・生活(いとなみ)・生涯(いきかた)のゆたかさを規定するといえるでしょう。そうしたゆたかな社会をどのようにして実現するか・・・。本学は健康栄養学部・社会福祉学部・看護学部・文化学部という、健康で文化的な生活と直結する学部群から構成されています。健康長寿研究センターは各学部の学術研究の知見を結集し、個人のゆたかな生の実現とゆたかな地域社会の構築に向けて、地域社会と学術研究の橋渡しを進め、血の通った研究の展開を図ります。
県民の健康長寿基盤である安心して暮らし続けることのできる地域を守るため災害対策に重点的に取り組みます。教員の研究成果を活用し、地域の人々が主体的に参画し、当事者や地域の実情に合った住民参加型の地域防災の実現を目指します。具体的には、スマートフォンアプリを活用し、高齢者や医療ニーズのある療養者の自助・共助体制を強化します。また、妊産婦家族や子ども世代にも健診や健康指導の機会を活用し、わがこと化と具体的な備え行動につながる減災教育の充実を図ります。
高知家の地域共生社会の実現を目指して、社会福祉領域の視点で活動を進めて参ります。
高校生から福祉・介護の専門性に触れることでキャリアを創造するサポートや、住民参加・体験型の出前講座などの活動をとおして、住民主体の健康長寿社会づくりの一助となればと考えます。
誰もが住み慣れた地域で自分らしい生活が継続できるよう、県民と関係機関・専門職が、共に学び・考える活動に取り組んでいきたいと思っております。
健康はすべての人のかけがえのない財産です。人々の健康長寿を推進するために、食と栄養に関する専門的立場から地域に根差した活動を通して食支援を行います。皆様の健康増進を図る活動に親しむ機会を通して、穏やかに過ごしていただけるよう、お手伝いします。また、地域の食や健康の課題解決のための取り組みを行い、健康長寿社会の構築に貢献したいと思います。
高知県は少子高齢化・人口減少、適切な医療提供体制の整備を背景に、在宅医療が推進され、住み慣れた地域で在宅療養者とご家族を支える訪問看護への期待が高まっています。
看護の力(実践力)は知識、技術、態度を学び、経験を統合するなかで培われます。しかし一人で学び、成長することは限界もあります。同じ訪問看護を目指す仲間と、大学のなかで、知識を広げ、技術を確認し、体験を共有していきましょう。
「こんにちは、訪問看護です」と笑顔でご自宅を訪問できる日をめざして!!
入院された方が、退院後も住み慣れた地域でそのひとらしい生活を続けられるためには、入院前から退院後までの切れ目ない支援が重要となります。そのため、入退院支援事業では、大学の教育力、研究力を基盤として、地域と病院の様々な多職種が、在宅生活に向けた課題と目標を共有し、対等な関係性を築き対話を繰り返しながら、地域・病院が互いに持っている知恵や資源を出し合い、患者家族の望む生活の実施に向けたケアを創造・実践していく仕組みづくりに取り組んでいます。